設備はまだ使えます。慌てて決めず、順番に確かめていきましょう。
太陽光発電を載せてから10年が近づくと、電力会社から「買取期間満了のお知らせ」が届きます。いわゆる卒FITです。同じ時期に、聞いたことのない会社から電話や訪問が増えることも珍しくありません。ただ、期間が終わっても発電設備が止まるわけではありません。選択肢は大きく三つで、どれもその日のうちに決める必要のないものばかりです。この記事では、それぞれの中身と、判断する順番を整理します。
FIT(固定価格買取制度)は、住宅用の太陽光であれば10年間、決められた単価で余った電気を買い取ってもらえる仕組みです。この10年が過ぎることを卒FITと呼びます。
終わるのは「決められた単価で買い取ってもらえる約束」だけです。パネルが発電しなくなるわけでも、電気を売れなくなるわけでもありません。多くの場合、何も手続きをしなければ、これまでと同じ電力会社が卒FIT後の単価で引き続き買い取ってくれます。ただしその単価は、FIT期間中よりもかなり下がるのが一般的です。
つまり卒FITとは、「売って収入を得る設備」から「使って電気代を減らす設備」へ、役割が切り替わるタイミングだとお考えください。
判断の出発点はここです。これから設置する場合の売電価格と、電力会社から買う電気の単価を並べると、構造がはっきりします。
売る電気と買う電気の単価(住宅用・10kW未満)
売電価格は2025年10月以降に適用される区分です(初期投資支援スキーム)。買う電気の単価は電力会社・契約プラン・燃料費調整・再エネ賦課金によって変わるため、おおよその目安として示しています。住宅用の調達期間は10年間です。
FIT期間中でも、5〜10年目の単価は買う電気よりずいぶん低い水準です。卒FIT後の買取単価はさらに下がりますから、1kWhの電気は、売るよりも自分の家で使ったほうが家計への効き方が大きいという関係は、卒FITを迎えるとよりはっきりします。この考え方は売電より自家消費という考え方でも詳しく書いています。
そのまま使い続けて、同じ電力会社に売る
手続きが要らず、追加の出費もありません。発電した分はこれまで通り家で使われ、余った分だけが売られます。単価は下がりますが、設備の働きそのものは変わりません。まずこの状態を基準に、他の選択肢と比べるのが分かりやすい進め方です。
売電先を、条件の良い事業者に切り替える
卒FIT後の電気を買い取る事業者は複数あり、単価や条件がそれぞれ違います。買取単価そのものだけでなく、その事業者から電気を買う契約とセットになっているか、契約期間の縛りや解約の条件はどうかまで見比べてください。切り替えても設備の工事は不要です。
蓄電池を後から足して、自家消費に回す
昼に余る電気を安く売るのではなく、貯めて夜に使う方法です。もっとも効果が大きい一方で、費用のかかる選択肢でもあります。容量の考え方は蓄電池の容量は何kWhを選べばいいのかをご覧ください。停電時の備えにもなります。
どれが正解かはご家庭によって違います。日中に人がいて電気をよく使うお宅なら、そもそも余る量が少なく、1と2の差はあまり大きくなりません。逆に日中は留守で夜に電気が集中するお宅ほど、3の効き方が大きくなります。
「売電先を変える」と「蓄電池を足す」は、二者択一ではありません
蓄電池を入れても、貯めきれずに余る電気は出ます。その余剰分をどこに売るかは、やはり選ぶ必要があります。まず売電先を見直して様子を見て、あとから蓄電池を検討するという順番でも問題ありません。同じ日にすべてを決める必要はない、ということです。
ここは屋根工事の会社として、いちばんお伝えしたい部分です。卒FITを迎えるということは、屋根の上でパネルが10年以上、雨と日射を受け続けてきたということでもあります。
パワーコンディショナーは屋外や屋内に設置された機器で、パネルの直流の電気を家庭で使える交流に変える装置です。パネルより先に更新時期が来ることが多く、卒FITのタイミングと重なりやすい設備です。蓄電池を導入する場合、パワーコンディショナーを蓄電池側と一体のものに入れ替える方式もあり、既設機器の型式や年数によって選べる構成が変わります。
また、屋根の塗り替えや葺き替えを数年以内に予定しているなら、その工事とあわせて考えたほうが、パネルの脱着を二度手間にせずに済みます。屋根材ごとの相性や、載せる前に直しておきたい状態については屋根の状態と太陽光設置の関係にまとめています。
買取期間の満了時期は、電力会社からの通知でご本人が知るものですが、この時期に合わせた営業が増えるのも事実です。「このままでは電気が無駄になる」「今の設備は危険だ」といった不安をあおる言い方をされても、その場で判断する必要はありません。
訪問販売や点検商法に関する相談は、国民生活センターに寄せられたもので2017年度の57件から2024年度には613件まで増えています。屋根に上がらせる前に会社名と連絡先を控え、複数社に相談してから決めてください。具体的な手口と断り方は点検商法への注意で説明しています。
卒FIT後の判断材料を揃えるには、次の三つで足ります。
そのうえで、蓄電池を検討される場合は、お住まいの自治体の補助制度も確認する価値があります。金額や条件は自治体ごとに異なりますので、たとえば東京都にお住まいなら東京都の補助金をご覧ください。
当社は屋根・外壁が本業で、太陽光と蓄電池まで自社施工で対応しています。屋根の状態を見たうえで「今は設備を足すより屋根を先に直しましょう」とお伝えすることもあります。相談・現地調査・見積りは無料で、その場での契約はお願いしません。効果の出方はご家庭の使い方によって変わりますので、検針票を拝見しながら一緒に考えさせてください。
多くの場合、これまでの電力会社が卒FIT後の単価で買取を続けます。発電も自家消費もそのまま続きますので、電気が使えなくなることはありません。通知書に記載された扱いをご確認ください。
通常は設備工事は不要で、契約の切り替えだけで済みます。ただし契約期間の縛りや、その事業者から電気を買うことが条件になっている場合もあるため、単価だけでなく条件全体を比べてください。
多くは可能ですが、既設のパワーコンディショナーの型式や設置年数によって選べる構成が変わります。屋根や配線の状態とあわせて現地で確認したうえでご提案します。
発電が続いていて屋根に不具合がなければ、使い続けるほうが一般的です。ただし屋根の葺き替えを予定している場合は、工事とあわせて脱着や撤去を検討したほうが無駄がありません。
ご相談・現地調査・お見積りまで無料です。
その場でのご契約は必要ありません。
株式会社ワイユー まごころ工務店/東京・神奈川・千葉・埼玉対応
屋根・外壁・太陽光をワンストップで自社施工
出典・参考:
売電価格・調達期間:資源エネルギー庁「固定価格買取制度(FIT)」2025年10月以降に適用される住宅用10kW未満の区分(初期投資支援スキーム)にもとづきます。
訪問販売・点検商法の相談件数:国民生活センター/全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)に寄せられた相談件数(2017年度57件、2024年度613件)。
※卒FIT後の買取単価や契約条件は電力会社・買取事業者によって異なります。実際の可否や内容は通知書と各社の条件をご確認のうえ、現地調査を経て判断します。