設備を足す前に、いまある設備の動く時間を見直すという考え方です。
オール電化のお住まいに太陽光を載せると相性がいい、という話をどこかで聞いて、この記事にたどり着いた方が多いと思います。たしかに相性はよいのですが、その理由は「電気だけで暮らしているから」という漠然としたものではありません。鍵になるのは給湯、つまりエコキュートをいつ動かすかという一点です。ここを変えるだけで、同じ太陽光でも手元に残る金額が変わってきます。設備を増やす前に、いまある設備の運転時間を見直すという視点で読んでみてください。
オール電化のお住まいは、調理も給湯も暖房も電気でまかなっています。ガス代がない代わりに、家庭で使うエネルギーがすべて電気代として一本にまとまっている状態です。そこに太陽光を載せると、自分でつくった電気で自分の家のエネルギーの大半をまかなえる可能性が出てきます。これが「相性がよい」と言われる素朴な理由です。
ただし、それは発電している時間帯と、電気を使う時間帯が重なっていればという条件つきの話です。太陽光が発電するのは昼間だけです。夜しか電気を使わない家に太陽光を載せても、昼につくった電気はほとんど売電に回り、夜は今までどおり電力会社から買うことになります。オール電化だから自動的に得になる、という単純な話ではないのです。
なぜ「使う時間帯」にこだわるのか。理由は単価の差にあります。
売る電気と買う電気の単価(住宅用・10kW未満)
売電価格は2025年10月以降に適用される区分です(初期投資支援スキーム)。買う電気の単価は電力会社・契約プラン・燃料費調整・再エネ賦課金によって変わるため、おおよその目安として示しています。住宅用の調達期間は10年間です。
売るより使ったほうが手元に残る、という構造がはっきりしています。とくに5年目以降は差が大きく開きます。この考え方そのものについては売電より自家消費という考え方で詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。
そしてオール電化のお住まいには、この「使ったほうが得」を大きく動かせる装置があります。エコキュートです。
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かし、タンクに貯めておく給湯器です。オール電化住宅の電気使用量のなかで、給湯は大きな割合を占めています。
従来、エコキュートは深夜電力の安い時間帯に沸き上げる設定が標準でした。夜間の電気が割安な料金プランとセットで普及してきたためで、これは当時としては合理的な運転方法です。いまでもその設定のまま動いているお宅がほとんどだと思います。
ところが太陽光を載せると、この前提が変わります。深夜に沸かしているあいだ、屋根の上のパネルは当然ながら発電していません。つまり家でいちばん電気を使う作業を、自家発電をまったく使えない時間帯にやっていることになります。昼につくった電気は余って売電に回り、夜は買った電気でお湯を沸かす。もったいない使い方です。
お湯は「電気を貯めておく形のひとつ」です
沸かしたお湯はタンクに貯まり、夜や翌朝に使えます。つまり昼の余剰電力でお湯を沸かすことは、電気をお湯という形に変えて夜まで持ち越しているのと同じです。蓄電池ほどの自由度はありませんが、すでに設置済みの設備を使って自家消費を増やせるという点で、検討する価値があります。
いきなり設備を買い替える必要はありません。次の順で確認していくのが現実的です。
いまのエコキュートに昼間沸き上げの機能があるか確認する
機種によっては「おひさまモード」「太陽光連携」といった名称で、昼の余剰電力を使って沸き上げる運転に対応しています。取扱説明書か、リモコンの設定メニューをご確認ください。対応していない年式のものもあります。
いま契約している料金プランを見直す
深夜が安い代わりに昼が高いプランのままだと、昼にシフトしたときに買電が発生した場合の単価が上がります。自家消費でまかなえる量とのバランスで判断が変わります。電気代の仕組みについては電気代が上がる理由もご参照ください。
ほかの家電も昼に寄せてみる
洗濯乾燥機や食洗機をタイマーで昼に動かすだけでも自家消費は増えます。費用がかからない方法なので、まず試してみる価値があります。
それでも余るなら、蓄電池を検討する
給湯と家電を昼に寄せてもなお余剰が出る場合、蓄電池で夜に回すのが次の手です。容量の考え方は蓄電池の容量は何kWhを選べばいいのかにまとめています。
すべてのご家庭にあてはまる方法ではありません。たとえば冬場で日射が弱い日が続くと、昼の発電だけでは必要な湯量を沸かしきれないことがあります。その場合は結局、夜間に追加で沸き上げることになります。多くの機種は天気予報や使用実績から自動で調整しますが、想定どおりにいかない日もあるとお考えください。
また、家族が多くお湯の使用量が多いお宅や、深夜から早朝にかけて入浴される生活リズムのお宅では、昼に沸かしたお湯を長時間保温することになり、放熱の分だけ効率が落ちる場合もあります。どちらが有利かはご家庭の使い方によって変わりますので、実際に切り替えてみて検針票の数字を比べるのが確実です。
ここまで運転時間の話をしてきましたが、私たちは屋根と外壁を本業とする会社です。最後に一つだけ、屋根の話をさせてください。
オール電化住宅は比較的新しいお住まいが多い一方で、築十数年を超えると屋根材の塗膜が傷んでいたり、板金の釘が浮いていたりします。太陽光パネルは一度載せると二十年以上そのままです。載せてから屋根を直そうとすると、パネルを外す費用が別にかかります。載せる前に、屋根の残り寿命とパネルの寿命を揃えておくという考え方が大切です。
屋根材ごとの相性や、載せる前に直しておきたい状態については屋根の状態と設置の可否にまとめています。現地調査とお見積りは無料で承っており、その場で契約をお願いすることはありません。エコキュートの設定を見直すだけで十分なご家庭であれば、正直にそうお伝えします。
機種によります。太陽光連携に対応したモデルなら設定変更で切り替えられます。対応していない年式もありますので、リモコンの設定メニューか取扱説明書をご確認ください。判断がつかない場合は現地で拝見します。
買う電気が減る分、下がる方向に働きます。ただし料金プランや日射条件、ご家族のお湯の使い方によって結果は変わります。切り替えたあと数か月の検針票を比べてみるのが確実です。
あります。日中に動かせる家電があれば自家消費は増やせます。給湯がガスの場合は昼間シフトできる量が少なくなるため、蓄電池の検討が有力な選択肢になります。
必ず両方必要というわけではありません。給湯を昼に寄せて余剰が出なくなるご家庭もあります。まず運転時間を見直し、それでも余る分を蓄電池で受けるという順番をおすすめしています。
ご相談・現地調査・お見積りまで無料です。
その場でのご契約は必要ありません。
株式会社ワイユー まごころ工務店/東京・神奈川・千葉・埼玉対応
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出典・参考:
売電価格(住宅用10kW未満・当初4年間24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWh、調達期間10年間)は、2025年10月以降に適用される初期投資支援スキームの区分によります。買う電気の単価およそ30円/kWhは、契約プラン・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金によって変動するため、おおよその目安として記載しています。