金額の大小より先に、同じ条件で並んでいるかどうかを確かめてください。
何社かに見積もりを頼んでみたものの、紙の書き方がバラバラで比べられない。片方は項目が細かく並び、もう片方は「太陽光発電システム設置工事 一式」の一行だけ。こうなると、結局いちばん安い数字に目が行ってしまいます。ただ、安い見積もりには安い理由があり、その理由が「必要な工事を書いていないから」であることもあります。ここでは、見積書に並ぶ項目がそれぞれ何を指しているのか、そして比較するときに揃えておくべき条件を整理します。
見積書に「工事一式」と書くこと自体が悪いわけではありません。細かい部材まで全部並べると、かえって読みにくくなることもあります。問題は、その一式に何が含まれていて、何が含まれていないのかが説明されていないときです。
太陽光や蓄電池の工事は、パネルを買って屋根に置いて終わり、という仕事ではありません。屋根に穴を開けて金具を固定し、その穴を雨が入らないように処理し、屋根から分電盤まで配線を通し、電力会社への申請を出す。ここまでやって初めて発電した電気が使えます。工程の数だけ費用の項目があるはずで、それが一行に丸められていると、どの工程がどれくらい丁寧に見込まれているのかが分かりません。
「一式」の見積書を受け取ったら、まず「この金額の内訳を項目ごとに出してください」とお願いしてください。ここで嫌な顔をされる、あるいは出てこない場合は、その時点でひとつの判断材料になります。
会社によって名前の付け方は違いますが、内容はおおむね次の五つに整理できます。自分の手元の見積書を、この五つに振り分けてみてください。振り分けられない項目や、どこにも当てはまるものがない枠があれば、そこが確認すべき場所です。
このうち機器費は、型番が同じであれば会社が違ってもそれほど大きくは変わりません。金額に差が出るのは、後半の三つです。つまり屋根まわりの工事と、足場と、申請や管理にかかる手間。ここを省いた見積書は安く見えます。
私たちは屋根と外壁を本業にしている会社なので、ここは特に申し上げておきたいところです。
「足場なし」は安いのではなく、あとで追加になることがある
屋根の形状や勾配、隣家との距離によっては、足場を組まずに安全に作業することが難しい現場があります。それにもかかわらず見積書に仮設費の行がない場合、当日になって「足場が必要なので追加です」となるか、あるいは足場なしで作業が進むかのどちらかです。どちらも望ましい展開ではありません。足場の要否は、現地を見たうえで最初に決まっているべきものです。
防水処理も同じです。太陽光パネルを固定するために屋根に穴を開ける工法では、その穴の処理が雨漏りの分かれ目になります。コーキング材を打つだけなのか、防水部材を屋根材の下に差し込んで水の通り道を作るのか。工法によって手間も耐久性も変わりますが、見積書に「防水処理」という言葉が一度も出てこないことは珍しくありません。
そして、そもそも今の屋根がパネルを載せられる状態なのか、という点もあります。築年数が経ったスレート屋根や、塗膜が傷んでいる金属屋根の場合、先に屋根を直してから載せたほうが結果的に安く済むことがあります。パネルを載せると、その下の屋根は点検も補修もしにくくなるからです。屋根材ごとの相性や、載せる前に直しておきたい状態については屋根の状態と太陽光の設置で詳しく書いています。
二社、三社の紙を並べる前に、次の項目が同じになっているかを見てください。ここが違っていると、金額の差が「高い・安い」なのか「別のものを買おうとしている」のか判断できません。
補助金は自治体によって金額も条件もまったく違い、着工前の申請が必要な制度もあります。申請のタイミングを間違えると受けられなくなるため、見積もりの段階で確認しておくのが安全です。お住まいの地域の制度は東京都の補助金の記事など、各県の記事をご覧ください。
先に「含まれていないもの」を聞く
書いてある項目より、書いていない項目のほうが重要です。足場、防水処理、屋根の補修、廃材処分、申請代行。この五つが別途なのか込みなのかを、口頭ではなく紙で確認します。
屋根を見たうえで書かれた見積もりかを確かめる
屋根に上がらず、航空写真や図面だけで作った見積もりは、現場で条件が変わりやすくなります。どこまで実際に確認したのかを聞いてみてください。
保証の主体が誰なのかを確認する
機器はメーカー、施工は工事した会社が保証するのが一般的です。工事を下請けに出す場合、雨漏りが起きたときの窓口がどこになるのかを聞いておくと安心です。
その場で決めない
見積書は持ち帰って読むものです。今日中に決めれば安くなる、という話が出てきたときは、いったん距離を置いて考えてください。訪問販売・点検商法への注意もあわせてご覧ください。
安い見積もりがすべて怪しいわけではありません。仕入れの条件や、営業にかける費用の違いで差が出ることは普通にあります。見分けたいのは、安さの理由を説明できるかどうかです。
「この型番をまとめて仕入れているので機器費を抑えられます」は理由になります。一方、内訳を出さずに総額だけを下げてくる場合や、他社の見積もりを見てからその場で値引きが始まる場合は、最初の金額が何だったのかという話になります。
効果についても同じことが言えます。発電量や削減額の試算は、屋根の向きや勾配、周囲の建物の影、そしてご家庭の電気の使い方によって変わります。どんな前提で計算した数字なのかが書かれていない試算表は、参考程度に受け取ってください。当社では検針票を見せていただいたうえで、前提を示して試算するようにしています。
相談・現地調査・お見積りは無料です。その場での契約はお願いしていません。他社の見積書を見ながら「この項目は何ですか」と聞いていただくだけでも構いませんので、お気軽にご連絡ください。
屋根の勾配や高さ、隣家との距離によっては足場なしで作業できる現場もあります。ただし不要と判断した根拠は聞いておいてください。書かれていないだけで、後から追加になる場合があります。
まったく問題ありません。金額の大きい工事ですので、複数社から話を聞くのは自然なことです。当社も他社の見積書を持参いただいて構いません。条件を揃えて比較しやすい形でお出しします。
パネルを載せると下の屋根は手を入れにくくなるため、必要な補修は先に済ませるのが合理的です。足場も一度で済みます。当社は屋根工事が本業ですので、両方をまとめてお引き受けできます。
屋根への固定方法と防水処理の記載、そして施工保証の範囲です。雨漏りが保証に含まれているか、何年間かが書かれていれば、その部分に責任を持つ姿勢が見えます。
ご相談・現地調査・お見積りまで無料です。
その場でのご契約は必要ありません。
株式会社ワイユー まごころ工務店/東京・神奈川・千葉・埼玉対応
屋根・外壁・太陽光をワンストップで自社施工
出典・参考:
※本記事は見積書の読み方に関する一般的な考え方の説明です。必要な工事内容・足場の要否は、屋根の形状や状態によって異なりますので、現地調査のうえ判断いたします。